西鉄宮地岳線跡地の問題について

※以下、収録された1次資料(文書や動画)はすでに公開されたものです。


 【事務監査請求の概要】

古賀市職員懲戒等審査委員会実施報告書以外の委員に配布又は閲覧させた事案資料や懲戒処分の対象事案に関する聴取書及び報告書など情報開示可能と思われる資料が他に存在しないのか監査を要望いたします。

❷西鉄宮地岳線跡地の活用について、20192月から「合意のとれた行政区から工事を始める」方針であり、古賀市は「住民との合意を得て、詳細設計・着工へと進んだ」と繰り返し説明してきたが、合意文書がない。

❸市長が令和5年古賀市議会第4回定例会において存在すると回答したが、情報開示請求に一旦文書不存在と回答する等、対応が杜撰で古賀市情報開示条例に反する。

➍近隣住民の道路工事への反対意見は多く、合意の根拠が不明確であり、古賀市まちづくり基本条例第9条の情報共有、11条の共働に反しており、適正な手順で工事が着工されたのか監査を要望いたします。

❺また古賀南区の道路工事に関し、令和6101日に住民が審査請求を提出したが、裁決が出るまでの期間も工事が継続され、この対応も適切であったのか監査を要望いたします。

 【事務監査請求結果に対する市民の会の考察】

西鉄宮地岳線跡地の問題について 

 

1)西鉄宮地岳線跡地整備計画の背景について

→監査結果では以下の重要な背景が示されていない。

そもそも当初の土地利用方針が突然、方針転換した根拠は何なのか?

近隣住民にアンケート調査を実施したのは、平成25年竹下市長時代であり、1位は遊歩道(緑道を

含む)で39.7%、2位は道路(歩道、自転車を含む)で32.3%であり、この結果を踏まえ、土地利用

方針(案)が作成され、それを基に近隣住民の住環境を重視した利用検討が進められていました。

ところが、中村市長に代わった途端、道路整備を打ち出し、その意思を引き継いだ田辺市長に代わっ

ても道路整備の根拠が不明確で、多くの近隣住民が納得できない状況が続いているのが現状です。

2)市長は合意文書があると発言していたが、実際には存在しなかった。

→虚偽であり、古賀市情報開示条例に反すると思われるが、監査で全く触れていない。

 

3)古賀市まちづくり基本条例に反していると思われるが、監査で全く触れていない。 


 【市民の会としての見解について

【公約の地元の「声」を尊重するはどこに?】

地元の「声」とのミスマッチ(市長ご説明)

クリックして下さい。

西鉄宮地岳線跡地の活用アンケート調査は、1位は遊歩道(緑道を含む)であり、当初、住環境を重視した利用検討が進められていました。ところが市長が代わり、根拠が不明確なまま土地利用方針が突然、道路整備に方針転換した背景があります。

市長は公約で地元の「声」を尊重しますと言っていましたが、市議会では「土地利用は市の裁量で用途を決定できる。道路整備は市長の判断。今後もこのやり方で進める。」と発言しています。

 

【市長の考える合意は合意とは言えない!】

市長の考える合意と現実のミスマッチ(市長ご説明)

クリックして下さい。

西鉄宮地岳線跡地の活用問題で市長が考える近隣住民との合意に大きな問題があります。

・市議会で市長が存在すると発言した合意文書が存在しなかった。

・市長は「私が得られた材料をもって、合意が得られたとの判断を私自身の責任においてして

 

その後、事業を進めている。」発言。←とても合意とは言えない。


 【事務監査請求結果 抜粋】

1 請求の要旨

  「割愛

2 争いのない事実 

西鉄宮地岳線跡地整備計画について

平成19年3月に西鉄宮地岳線一部区間(西鉄新宮駅から津屋崎駅までの間)が廃止された。その後、市は、西鉄宮地岳線跡地の活用に関する意見交換会や各種市民アンケート調査を実施し、平成27年度に「西鉄宮地岳線跡地の土地利用整備計画(案)」を作成した。

中村市長は、西鉄宮地岳線跡地全域について一括して整備を進めていく方針を立て、西鉄宮地岳線沿線の行政区に対し説明会を実施した。その後、中村市長から田辺市長に交代した後は、西鉄宮地岳線跡地全域について一括して整備を進めるとなると調整に非常な時間を要するため、整備に着手できる行政区から個別に整備を進めていく方針に転換し、「対話集会」という名称で説明会を実施してきた。田辺市長は、対話集会等を通じて市民の合意を得られたと判断した行政区から整備を進めている(以下「本件整備事業」という。)。

⑵ 本件整備事業の状況(令和7年3月末現在)

・令和4年10月 中川(第1工区)工事着手

・令和5年 3月 中川(第1工区)工事完了

・令和5年10月 中川(第2工区)工事着手、花見南(第1工区)工事着手

・令和6年 3月 中川(第2工区)工事完了

・令和6年 6月 花見南(第1工区)工事完了

花見南(第2工区)工事着手、古賀南工区工事着手

・令和7年 1月 古賀南工区工事完了

・令和7年 2月 花見南(第2工区)工事完了

3 監査の結果

監査委員としては、請求の要旨②及び令和7年3月19日に実施した意見聴取の内容を踏まえ、合意文書がなく本件整備事業の工事に着手したことの適否、審査請求を行って裁決が出るまでの期間も工事が継続されたことの適否を監査し、本件各事務に違法又は不当な点がないかを検討する。

⑴ 合意文書がなく本件整備事業の工事に着手したことの適否について

ア 認定した事実

(ア)法律の定め

道路整備について住民等との合意文書を取り交わさないと工事に着手できないとの法律の定めはない。また、道路整備について説明会を実施することを義務付ける法律の定めもない。

(イ)工事着手に至るまでの流れについて

a 第4の2記載のとおり、本件整備事業は行政区ごとに進められており、対話集会、設計、説明会、工事の順で行われている。対話集会は、設計に入る前に、住民に西鉄宮地岳線跡地整備の大枠の説明と意見聴取を行うもので、説明会は、設計終了後に具体的な工事内容について説明を行うものである。設計及び工事については、議会議決を経て予算を確保することと、発注に係る契約締結のための手続きが必要となる。これらを踏まえると、円滑に進んで以下のようなスケジュールとなる。

n年度 対話集会、n+1年度に設計を行うための予算要求、議会議決 n+1年度設計発注、設計を持って説明会、n+2年度に工事を行うための予算要求、議会議決

 

監査委員としては、請求の要旨②及び令和7年3月19日に実施した意見聴取の内容を踏まえ、合意文書がなく本件整備事業の工事に着手したことの適否、審査請求を行って裁決が出るまでの期間も工事が継続されたことの適否を監査し、本件各事務に違法又は不当な点がないかを検討する。

⑴ 合意文書がなく本件整備事業の工事に着手したことの適否について

ア 認定した事実

(ア)法律の定め

道路整備について住民等との合意文書を取り交わさないと工事に着手できないとの法律の定めはない。また、道路整備について説明会を実施することを義務付ける法律の定めもない。

(イ)工事着手に至るまでの流れについて

a 第4の2記載のとおり、本件整備事業は行政区ごとに進められており、対話集会、設計、説明会、工事の順で行われている。対話集会は、設計に入る前に、住民に西鉄宮地岳線跡地整備の大枠の説明と意見聴取を行うもので、説明会は、設計終了後に具体的な工事内容について説明を行うものである。設計及び工事については、議会議決を経て予算を確保することと、発注に係る契約締結のための手続きが必要となる。これらを踏まえると、円滑に進んで以下のようなスケジュールとなる。

n年度 対話集会、n+1年度に設計を行うための予算要求、議会議決

n+1年度設計発注、設計を持って説明会、n+2年度に工事を行うための予算要求、議会議決

n+2年度工事発注

b 市議会に対しては、本会議における一般質問、市民建産委員会、予算審査特別委員会等において西鉄宮地岳線跡地の土地利用に関して説明し、事業費にかかる予算の議決を得ている。

イ 監査委員の判断

前述のとおり、道路整備について合意文書を取り交わさないと工事に着手できないとの法律上の定めはない。

また、対話集会や説明会を実施することも法律上の義務ではないから、対話集会等の実施回数や内容は、本件整備事業を進める市の裁量に委ねられるものと考えられる。

さらに、事業実施に係る予算についても市議会にて議決されていることを踏まえると、工事に至るまでの手続に違法又は不当な点は認められず、本件事務は適正に行われたものと判断する。

⑵ 裁決が出るまでの期間も工事が継続されたことの適否について

ア 認定した事実

(ア)審査請求について

令和6年10月1日に████████氏を請求人として、古賀市長(所管課:総務部総務課)に対し、「現在行っている古賀南区での道路整備の処分(事業)を取り消す」との趣旨にて審査請求がなされた。

上記審査請求は、行政不服審査法第24条第2項にあたるため、審理手続を経ずに、同法第45条第1項の規定により却下となった。

(イ)行政不服審査法の規定

行政不服審査法第25条第1項は、「審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。」と規定し、執行不停止の原則を採用している。

イ 監査委員の判断

審査請求後も工事が継続されたことに関しては、上記(イ)記載のとおり、執行不停止原則が採用されていることから、工事を継続したことについて違法又は不当な点は認められない。

4 監査委員の意見

西鉄宮地岳線の西鉄新宮駅から津屋崎駅間の廃線は、平成19年3月であり、その跡地整備事業について、現段階でも継続中であることからすると、市としての一大事業であり積年の課題であると考える。

この宮地岳線跡地の用地については、市が土地開発公社を介して購入を進めた公有地であり、本来、市が独自に開発を進めていくことができる事業であるが、当該整備事業着工に向けて、その沿線行政区に対し対話集会等を行っていることは、沿線住民の意見及び理解を求めようとする姿勢がうかがえる。

ただ、対話集会等を実施している沿線住民全員の意見を聞き全員の賛同を得るのは困難であることは明白であり、最終的には市の裁量により着工の判断をすることとなる。

その際には、市の事業であることも鑑み、地方自治の本旨であるところの、住民の意思を尊重しつつ、市全体の住民の福祉の増進を図ることを本懐として決定していただきたい。